企業主導型保育所とは、企業が従業員向けに開設している施設ですが、事業所の外に設けて地域の子供も受け入れることができることから待機児童対策の一つとして期待されています。国も補助金を出すなどで設置の後押しをしているので、年々その数は増え続け2018年の2月末時点で2300施設以上となっています。
施設が増えると、資格を持った保育士が引っ張りだこ。東京都の保育士の有効求人倍率は2018年の1月時点で6.43倍。事業所間でも熾烈な人材獲得合戦が繰り広げられています。
ところが、保育士さんからの応募が数多く集まるという保育園が東京都の江戸川区にあります。その施設の名前は「輝くベビー保育園 瑞江」
ここで働く保育士さんは7名。うち3名が自分の子供を預けながら働く子連れ保育士。保育料が4万3000円なのに対し、子連れ保育士には1万円の補助が出ていると言います。
●保護者との連絡を紙ではなく、アプリを使って効率化
●保育上の残業につながる掲示物や飾りを最低限に
FunTreファントレというウェブコンサルティング会社が運営しています。
お金の面に関しても認可並みの助成がありつつ、決まりのハードルが低いというところが大きかったので、初めてでも参入しやすかったとのこと。
現在働いているスタッフにお友達や知り合いを紹介してと頼んでも、声かけが出来る範囲は限られていますし、知り合いの施設からも逆に声がかかる状況のなか人集めは難しいの現状ですよね。
「輝くベビー保育園」では、どのような点に気を配って人の募集をしているのでしょう。2店目となる新店舗の募集をしていますが、その要点は次の通り。
●自分の想いを叶えられる環境ですよ
●子供を預けながらの勤務が可能です
●ネイルOK! 会社が運営する美容室あり
●残業&持ち帰りの仕事がない!
●駅から徒歩で1分の好立地
●新規オープン 園のオープニングスタッフ
気になる給与ですが、
1年以上の経験を有する保育士さんでは月給26万円~(モデル年収357万円)と明記。
相場が平均20万円程度なので、この金額提示はインパクトがありますよね。
ちなみに、新卒や未経験者でも23万円。
保育士パートの場合は時給1,250円から。
諸手当があって、社会保険も完備。
このような条件を掲載したところ、10人の保育士募集に対して37名の応募があったとか。
それは、補助金を最大限活用したり、削れるところは削って人件費に充てているからだと言います。
ファントレの赤松卓人取締役は次のようにコメントしています。
「園側が出来るのは賃金の部分はもちろん、働く環境は最低限整えないといけない。なかなか競争が厳しいかなと思っていたなか、これだけ集まったのは正直ほっとしている。」
来月から12年ぶりに保育士として復帰するにあたり、このようなコメントをしています。
「子連れで働きたいということと待遇があることを確認して応募した」
保育士の資格を持ちながら保育士の職に就いていない人は年々増えています。2016年で約86万人もいるそうですが、政府もその対策に乗り出してはいますが、民間レベルでの堀起こしの工夫が求められます。
■潜在保育士さんに復帰してもうらためのポイント■
賃金も大事ですが・・・
残業がない、
働いた分だけ見返りがある、
といった待遇をすることが復帰を促す効果が大きいようです。